2024年11月17日(日)、東京体育館で「BEYOND STADIUM 2024~パラスポーツ キッズワンダーランド~」が開催されました。ステージコンテンツやゲームエリアのパラスポーツ体験コーナーと並行して、どなたでも参加できるボッチャ大会「BOCCIA BEYOND CUP」が行われ、熱戦が繰り広げられました。
過去最多64チームが参加!
今年の「BOCCIA BEYOND CUP」は昨年を上回る131チームから応募があり、その中から抽選で選ばれた60チームと、著名人やパラアスリートなどから成るゲストチーム3チーム、東京都市町村ボッチャ大会の優勝チーム1チームを加えた全64チームが参加しました。
ボッチャは重度障害者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目。年齢、性別、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒に競い合えるスポーツです。
今回、障害のある方がメンバーに含まれるチームは全体の半数以上にのぼり、メンバー全員小学生のチーム、大学・職場の仲間で結成されたチーム、普段から地域で一緒にボッチャを練習しているチームなど、多種多様なチームが集まりました。
開会式では、イベントアンバサダーの鈴木 福(すずき ふく)さん、和合 由依(わごう ゆい)さんが「去年に続いてこの大会を見届けられるのを楽しみにしています」と参加者にエールを送りました。また、東京都生活文化スポーツ局の渡邉 知秀(わたなべ としひで)次長から「日頃の練習の成果を存分に発揮して熱いプレーで頑張ってください」と挨拶がありました。一般社団法人日本ボッチャ協会の三浦 裕子(みうら ひろこ)事務局長からは「パラリンピックで日本代表が体現したように、どんなに劣勢でも最後の一球まで勝敗がわからないのがボッチャの醍醐味。力を合わせて頑張ってください」とお話がありました。まずは準備運動として参加者全員でラジオ体操を実施。「おかあさんといっしょ」の第12代体操のお兄さん、福尾 誠(ふくお まこと)さん、東京2020大会マスコットのミライトワ・ソメイティと一緒に体を動かしました。
著名人やパラアスリートも真剣勝負
大会には「BEYOND STADIUM 2024」のゲストも参加。パラリンピック金メダリストの鈴木 孝幸(すずき たかゆき)選手(水泳)、アイドルグループ仮面女子の猪狩(いがり)ともかさん(パラ応援大使)、ビヨンズサポーターの稲毛 眞生(いなげ まうな)さんが「チームたかゆき」として、福尾 誠さん、ビヨンズサポーターの阿比留 照太(あびる しょうた)さん、ギュナイ 滝美(らあら)さん、筧 礼(かけひ れい)さんが「チームまこと」として、HIMAWARIちゃんねるのまーちゃん、おーちゃん、パパが「チームHIMAWARI」として出場しました。
ゲストチームは残念ながらすべて初戦敗退でしたが、ムードメーカーとして大会の幕開けを賑やかに盛り上げてくれました。一般の選手たちに交じって真剣な眼差しで投球しているゲストのみなさんの姿は、多くの観客にボッチャの魅力を伝えてくれました。
ハーフコート運用、交流戦で多数のチームが参加
今回の大会では、できるだけ多くのチームが参加できるように1,2回戦は通常のコートを半分に区切ったハーフコートで試合を行いました。3回戦以降はいよいよフルコートでの試合。トーナメントが進むにしたがって、勝負も熾烈になっていきました。準々決勝・準決勝ともなると、どのチームも持ち時間を十分に使って戦略を練り、一投一投の重みも増していきます。楽しむ中にも勝負にこだわる姿勢があふれ出ていました。一方で、多くの方に少しでも複数のゲームを楽しんでもらえるよう、敗退チーム同士のフレンドリーマッチ(交流戦)の場も設けました。合計10試合実施し、勝ち進むことはできなかったチームも、純粋にボッチャを楽しむたくさんの笑顔が見られました。
メダリストが登場!エキシビションマッチ
決勝戦を前に、コートではパラリンピックパリ大会団体で銅メダルを獲得した日本代表の杉村 英孝(すぎむら ひでたか)選手、廣瀬 隆喜(ひろせ たかゆき)選手、遠藤 裕美(えんどう ひろみ)選手が参加するエキシビションマッチが行われました。杉村選手、遠藤選手、鈴木 福さんの3人からなる杉村選手チームと、廣瀬選手、ギュナイ 滝美さん、福尾 誠さんの3人からなる廣瀬選手チームとの対戦です。パラ応援大使の猪狩 ともかさんが司会を務め、日本ボッチャ協会の新井 大基(あらい だいき)さんが実況・解説を行いました。試合前のインタビューでは、杉村選手がパラリンピックの応援に対する感謝を、廣瀬選手がこの大会の熱気について語り、遠藤選手が「パリの再現をもう一度!声援お願いします」と呼びかけました。
試合中、選手たちの会話はマイクを通じて会場に流れます。一球ごとに変わる局面に両チームがどんな作戦で臨むのか、観客の皆さんも選手たちの会話を聞きながら一緒にゲームを楽しみました。杉村選手、廣瀬選手、遠藤選手が宣言した通りの絶妙なショットを決めると会場からは大きな拍手と歓声が上がりました。選手たちだけでなく、アドバイスを受けた鈴木 福さん、福尾 誠さん、ギュナイ 滝美さんもナイスショットを連発して大接戦となりましたが、最後は杉村選手が空中からダイレクトにジャックボールを動かすスーパーショットを決めて形勢逆転、5対1で杉村選手チームの勝利となりました。
いよいよ決勝戦、果たして優勝チームは?
決勝戦は「一番友実と愉快な仲間たち」対「川崎ボッチャスピリッツ」の強豪同士の対戦となりました。
「一番友実と愉快な仲間たち」は大学の仲間で結成されたチーム。一方の「川崎ボッチャスピリッツ」はボッチャが盛んな川崎市の職場の仲間で結成されたチームです。いずれも目標は優勝です。日本代表の杉村選手、廣瀬選手、遠藤選手が解説に加わり、2エンドの頂上決戦が始まりました。
第1エンド、試合の流れを引き寄せたのは赤ボールの「一番友実と愉快な仲間たち」。残り1球となった場面、手前にある味方の赤ボールをプッシュして見事にジャックボールに寄せ、1点を先取しました。
チーム戦で投げられるのは一人2球ずつ。スローイングボックスは移動できないので、どの角度から、どの順番で狙うかが重要です。時にはチームで相談しながら、次はどこに投げるのがいいのか、残りの球数など様々な要素から2手、3手先を読み投球する、まさに究極の頭脳戦です。
第2エンドは「川崎ボッチャスピリッツ」が反撃します。お互いにピタリと寄せ合う展開の中、4球目は敵のボールを押し込みつつジャックボールの裏をとるスーパーショット。一気に優勢となります。
「一番友実と愉快な仲間たち」は状況を変えるため、最後のボールでジャックボールを動かそうと試みますが、惜しくもわずかに外れます。2つのボールを残した「川崎ボッチャスピリッツ」が冷静にアプローチを決めて2点を獲得。トータル2-1で「川崎ボッチャスピリッツ」が劇的な逆転勝利を収めました。
互いに健闘をたたえあい、最後は拍手で試合を締めくくりました。
なお、優勝チームに与えられるジャパンカップ2025の出場権については、優勝した「川崎ボッチャスピリッツ」に他の大会ですでに出場権を得た選手がいたため、規定により次点の「一番友実と愉快な仲間たち」に与えられることになりました。
その他コンテンツのレポートは以下をご覧ください。
■「BEYOND STADIUM 2024」ステージコンテンツのレポートはこちら
➡後日掲載予定
■「BEYOND STADIUM 2024」体験コンテンツのレポートはこちら
➡https://www.para-sports.tokyo/join/report/beyond_stadium_2024_report02
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※当日のイベントの様子は、以下のURLから動画でもご覧になれます。
『BEYOND STADIUM 2024~パラスポーツ キッズワンダーランド~ へのご参加ありがとうございました!』