今年はパリ2024パラリンピックもありましたね。2024年11月17日(日)、「BEYOND STADIUM 2024~パラスポーツ キッズワンダーランド~」を東京体育館で開催し、ステージコンテンツ、ボッチャ大会、ゲームエリアのパラスポーツ体験コーナーなどさまざまなパラスポーツを楽しむプログラムを展開しました。
今回の体験コーナーでは金メダリストを含め、たくさんのパラアスリート(なんと総勢21名!)をお招きし、「パラアスリートと一緒に遊ぼう!」というコンセプトのもと、さまざまな競技を体験してもらいました。
メインアリーナでは中央のステージを囲むように、車いすバスケットボール、車いすテニス、陸上(義足)、柔道、ゴールボール、ブラインドフットボールの体験エリアを設けました。
2階はお家でできるパラ競技のトレーニング、名付けて「パラトレ」や、パラアスリートの人生を体験してみる「ルーレットチャレンジ」。東京体育館全体で楽しめるコンテンツを展開しました。
各エリアともパラアスリートが1日中スタンバイ。義足や車いすを操作するためのポイント、シュートのコツなど教えてくれます。そして体験をしてくれた人にはこのイベント特製の「アスリートカード」をプレゼント。競技の場面を写したかっこいい写真、ストロングポイント、みんなへのメッセージなどが書かれた、この日だけしか手に入らないスペシャルカードです。
「参加者の方々にパラスポーツを少しでも楽しんでもらいたい!」・・・どのアスリートも1日中ボールを投げたり、組み合ったり、コーチになってくれました。
車いすバスケットボールのコートで参加者を迎えてくれたのは女子チーム ELFIN のメンバー、石川 優衣(いしかわ ゆい)選手、江口 侑里(えぐち ゆうり)選手、西村 朝未(にしむら あさみ)選手、古矢 千尋(ふるや ちひろ)選手。「小さい子どもたちには車いすで鬼ごっこをすると楽しいのでは?」「低いゴールもあるといいかも」「普段からバスケをしている高学年はいきなりミニゲームをしても面白い?」など、イベント1ヶ月前からたくさんのアイデアを考えてくれました。
当日は車いすを操作しながらスラローム&シュートを体験。15分間のデモンストレーションでは「車いすバスケは一般のバスケとどう違う?」という話から始まり、選手の障害にもレベルがあることを教えてくれたり(車いすから立ち上がることができる選手もいるのです)、2on2のゲーム実演では3ポイントシュートも披露してくれました。
車いすテニスのエリアでは荒井 大輔(あらい だいすけ)選手と齋田 悟司(さいた さとし)選手がスタンバイ。制限時間内に何回ラリーを続けることができるかチャレンジします。車いすを操作しながら、ボールが飛んでくる方向を見て、ラケットに当てる・・・けっこう難しいように見えますが、小さい子も大人も選手のボールを見事に打ち返していました!狙った方向とは違うところにボールが飛んでいってしまっても、選手たちはくるっと車いすを回転させて打ちやすいように返します。
デモはスーパーハイレベルなダブルスで大変盛り上がりました。
陸上エリアでは前川 楓(まえがわ かえで)選手、山下 千絵(やました ちえ)選手、池田 樹生(いけだ みきお)選手、義肢装具士の沖野 敦郎(おきの あつお)さんと一緒に義足体験をしました。参加者が装着するのは健常者が反発力のあるスポーツ義足(板バネと呼ばれます)を体験するための義足です。簡単に見えるかもしれませんが、体幹がないとバランスを取れず、まっすぐ立つのも難しいんです。「前のめりにならない!」「腰を引かない!」「目線は前に!」といった選手たちのコーチングのもと、約15メートルのエリアを往復しました。中にはすぐにコツを掴んで走ってみる猛者も!
他にも体幹とジャンプ力を試す「片足だるまさんが転んだ」で遊んだり、デモでは選手のスポーツ義足を持ってみたり、義足をつける前の足の切断面を触らせてもらったり、ハイジャンプを見せてくれたり。義足のこと、義足アスリートのこと、たくさん教えてもらいました。
柔道(視覚障害者柔道)は瀬戸 勇次郎(せと ゆうじろう)選手と石井 亜弧(いしい あゆみ)選手が参加者を迎え、アイマスクをして組み合います。どっちに引っ張られるのか?いや、持ち上げられるか・・・? 視覚に頼らず感覚を研ぎ澄ませての柔道体験です。
体験の最後はパリ2024パラリンピック金メダリストの瀬戸選手に投げられて終了!10時からから夕方までずっと投げ続けるのは疲れませんか?というスタッフの心配に、瀬戸選手は「大丈夫です!投げます!」と力強く答え、300人近くの参加者を投げ続けてくれました。
ゴールボールのエリアは競技で実際に使われている幅9mのゴールが設置され、目隠しをしてボールを投げたりキャッチをしたりしました。守る人は音を頼りに、ボールが飛んでくる方向を予想し、横にごろんと倒れて止めます。横になった後も、すぐ起き上がって次のボールに備えるため、腹筋が大切です。視覚に頼らずたった3人で9mもの幅のゴールを守っている選手はすごいですね。
ブラインドフットボールは鳥居 健人(とりい けんと)選手のコーチングのもと、目隠しをした状態でパスを受け、ゴールへのシュートにチャレンジ。ボールの中にある金属の音と選手やスタッフたちの声を聞きながら、人がいる方向・ゴールの方向を察し、足先でボールの位置を探ります。豪快に空振りしても鳥居選手のアドバイスのもと、ゴールできるまでみなさんがんばりました!
デモは鳥居選手が華麗な8の字ドリブルを披露。ボールを足先から極力離さないことがポイントみたいです。
ちなみに鳥居選手がサインをしているのが「アスリートカード」。競技体験をするごと、ブースを回るごとに、1枚このカードがもらえます。カードは11種類あり、そのうち6枚集めると「BEYOND STADIUM 金メダルステッカー」がもらえます。会場ではたくさんの参加者が金メダルをゲットしていましたよ。
今年は2階エリアもたっぷり遊べました!1つはルーレットチャレンジ。
「わたしは、ぼくは車いすを使って生活している小学5年生。さいきん、車いすでできるパラスポーツにきょうみが出てきたんだ。パラアスリートを目指しちゃおうかな」
というコマをスタートに、タブレットでルーレットを回しながらアスリートの人生を辿っていきます。「テレビでパラリンピックをみた」「車いすバスケットボールの漫画を読んだ」など、いろいろなコマに止まりながらゴールを目指します。「アスリートカードを引く」というコマではパリ金メダルの水泳の鈴木 孝幸(すずき たかゆき)選手、パリ銅メダルのボッチャの遠藤 裕美(えんどう ひろみ)選手がアスリートカードを渡してくれました。
また、同じ2階エリアでは、お家でできるパラスポーツのトレーニング、名付けて「パラトレ」も去年に続き開催。
陸上のチャレンジは目隠しをしてその場で20回足踏みし、その場にとどまっていられるかを試します。義足で速く走るには姿勢を保ち続ける体幹の強さが必要です。体幹がしっかりしていないと視覚を遮って足踏みをするうちに、前後左右にずれていってしまうんです。チャレンジャーのみなさんは…体幹が強い人がたくさんいました!
(動画でも公開中→ http://www.youtube.com/watch?v=ZftkVOgExG4)
車いすバスケは腕力の限界にチャレンジ。車いすバスケではシュートやパスはもちろん、走るのも止まるのにも、すべて腕の力が必要です。このチャレンジでは腕の力だけで自分の体重を支えることで、腕の持久力を測ります。
(動画でも公開中→https://www.youtube.com/shorts/c9bP5Qu1BWE)
ゴールボールは時間感覚を測ります。目隠しをしてもぴったり10秒あてられるかを試しました。ゴールボールには「10セカンド」というルールがあり、相手が投げたボールが選手の体やゴールにあたってから10秒以内に相手のコートに返さないといけません。目をつぶった状態でもこの10秒を把握できるかが大事なんですね。
(動画でも公開中→https://www.youtube.com/shorts/p-2zebyeWbY)
テコンドーは足のコントロールチャレンジ。左右の足でパイロンを10回跨ぎ続け、タイムを競います。テコンドーでは足を正確にコントロールする力がとても重要。素早く、狙った位置に
足をコントロールできるか、やってみました!
(動画でも公開中→https://www.youtube.com/shorts/vI_qtTcOC10)
パーフェクトを達成した人や、タイムを競うチャレンジはベスト5の人の名前をスコアボードに掲出しました。陸上の「足踏み」ではパーフェクト達成者がたくさん!車いすバスケでは去年の自分の記録を超えにきた方々も。楽しくチャレンジしてくれてありがとうございました!
10時から17時まで、2500人もの人がいろんなパラスポーツ・ゲームを体験してくれました!一緒に遊んだアスリートたちはこれからいろんな大会に出場します。会場で試合を応援してくれる声がアスリートたちのパワーになります。いっぱい試合を見ていっぱい応援して、そしてまたビヨンドスタジアムで会いましょう!
その他コンテンツのレポートは以下をご覧ください。
■「BEYOND STADIUM 2024」ステージコンテンツのレポートはこちら
➡後日掲載予定
■「BOCCIA BEYOND CUP」のレポートはこちら
➡https://www.para-sports.tokyo/join/report/boccia_beyond_cup_2024_report
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※当日のイベントの様子は、以下のURLから動画でもご覧になれます。
『BEYOND STADIUM 2024~パラスポーツ キッズワンダーランド~ へのご参加ありがとうございました!』