TEAM BEYONDパラスポーツ体験プログラム「10/14 市民スポーツ・レクリエーションフェスティバル2024(昭島市)」実施レポート

2024.10.28
TEAM BEYONDパラスポーツ体験プログラム「10/14 市民スポーツ・レクリエーションフェスティバル2024(昭島市)」実施レポート

2024年10月14日(月・祝)、昭島市にある昭和公園内陸上競技場で開催された「市民スポーツ・レクリエーションフェスティバル2024」で、「TEAM BEYONDパラスポーツ体験プログラム」を実施しました。

「スポーツの日」にふさわしい、晴れ渡った空の下で行われた体験プログラム会場には、カヌー体験用のプールを設営。水を入れたそのプールの中にカヤックを浮かべ、参加者に乗艇してもらいました。乗り方の指導や魅力を教えてくれたのは、ゲストアスリートとしてお迎えしたパラカヌーの朝日省一(あさひ しょういち)選手。時にはカヤックを揺らしてみたりして、川や湖などでの実際の乗艇気分を参加者に味わってもらいました。

他にも芝生の上でボウル(球)を転がし、標的球に近づけるローンボウルズ体験、VRを活用した車いすでのバドミントン体験を実施しました。ローンボウルズはボウリングやカーリングのモデルとなったスポーツで、ボールを投げるだけというシンプルな動作ながら奥が深いスポーツです。様々な種目を子どもから大人まで一緒になって体験を楽しんでいました。

当日の様子やそれぞれのパラスポーツの魅力を紹介します。

カヌー

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川や湖などをオールを漕いでスイスイ進むイメージのカヌーですが、パラスポーツでは下肢に障がいがある選手を対象にしたパラカヌーというものがあります。
選手の障がいの程度により3つのクラスに別れており、使う艇は「カヤック」、そして片側にアウトリガーという浮きがついた「ヴァー」の2種類があります。

この日、カヌー体験の場にゲストアスリートとして迎えたのはヴァーに乗るVL3クラスの朝日省一選手。今年9月の海外派遣選手選考会で2位を獲得した選手です。2017年、バイクの事故で両足太もも切断となり、2020年からパラカヌーを始めました。
今回、会場に登場したのは4.5メートル✕2.2メートルサイズのプール。ここに水深30-40センチメートルほどの水を入れ、安定度が高いレクリエーション用のカヤックを浮かべました。また、プール横には実際に試合で使う競技用カヤックの展示を行われました。

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体験会の冒頭に朝日選手から「カヌー競技は水上のF1とも呼ばれる競技で、200メートルの直線を漕ぐスピードを競い合います。トップクラスの選手は200メートルを約40秒台で漕ぎます」という説明がありました。
続けて「そして今回、プールに浮かべたカヤックのような、レジャーとして気軽に楽しむ方法もあります。今日はまず、カヤックに乗って水に浮かぶ感覚を味わってください」と話してくれました。

説明の後の乗艇体験で参加者はライフジャケットを装着し、カヤックに数分間ずつ乗りました。
シートに座るとまず、両足の膝あたりをカヤックの縁の内側に押し付けて体を固定し、カヤックを安定的に操作する体勢を整えます。そしてパドルを渡されて、持ち方などを教わりました。

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スペースの関係で実際に漕いで進むという動作は難しい部分がありましたが、周りのスタッフがカヤックを揺らしたり、参加者自身が上体や腰、太ももを動かしながら、カヤックの左右のバランスを自在に変えられる感覚などを味わってもらいました。プールでの実施のため、2歳や3歳の小さな子どもでも乗艇体験をすることができました。

また、乗艇体験後に「カヤックに自分の体を固定するため、膝を使う感覚は分かりましたが、下肢障がいがある選手はどうしているのですか?」と、実際に乗ったからこそ感じる質問を朝日選手にする参加者もいました。
朝日選手は、シートと体をシートベルトのようなもので固定させることで体勢を整えて、カヤックを安定的に操縦しているなどと説明していました。

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この体験会の様子を見ながら、朝日選手は「私たちは『水上は究極のバリアフリー』とよく言っているのですが、カヌーで水上に出てしまえば、健常者も下肢障がい者も関係なく、どこへでも行けます。同じように楽しめるスポーツなんです。一方で、下肢障がいの選手が上半身の力だけでどのように競技に挑戦しているか、観戦の際はそんなところにも着目してもらえるようになるとうれしいです」と語りました。

ローンボウルズ

ローンボウルズとはイギリス発祥のスポーツで、ジャックという目標球に向かって偏心球(中心が偏っている球)のボウルを転がし、いかに自分のボウルを相手のボウルよりも近づけるかを競うスポーツです。芝生または人工芝や室内カーペットの上につくったコートで行います。
今回のコートは人工芝でした。
ご指導いただいたのは東京ローンボウリングクラブの会員の皆さん。日本チャンピオンの方や今年3月にタイで開催されたアジア選手権で3位となった選手など、ベテラン、精鋭の会員がサポートに来てくれました。

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参加者のほとんどは、ローンボウルズ初心者の方ばかり。まずローンボウルズは年齢や性別、障がいの有無に関係なく誰でも一緒に同じルールで楽しめるスポーツであり、またイギリス発祥のスポーツでプレイ時のマナーも重んじられることなど競技の特徴が説明されました。
イギリスでは700年近い歴史を持つといわれる競技で、ボウリングやカーリングの原形にもなっているといわれるそうです。

体験では最初にジャックを転がし、それに向かってボウルを転がします。ボウルは約1.2キログラムの重さのものから1.5キログラムを超えるものまで、4種類用意されました。
自分の手に合ったものを選びますが、どれもしっかりと重さを感じます。そして転がすのですが、偏心球のため、真っすぐ転がしてもやがて曲がっていきます。その曲がり具合を計算して転がすことがローボウルズの面白さになります。

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複数人で参加されていた方同士でミニゲーム体験も実施しました。家族みんなで参加していた子どもは「狙い方次第で最後に大逆転できて、面白かった!」と楽しそうに感想を話してくれました。

VRを活用したバドミントン

会場ではVR(ヴァーチャル・リアリティ=仮想現実)を活用したバドミントン体験も実施しました。パラスポーツのバドミントンでは、車いすや義足、低身長などさまざまな障がいがある選手たちが、激しいラリーの応酬や素早いチェアワークを駆使した緊張感あふれる駆け引きを繰り広げます。
今回のVRバドミントン体験では、参加者に車いすに座ってもらい、VRゴーグルを装着して仮想空間上で6点先取のゲームを体験してもらいました。

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コントローラーを1本ずつ両手に持ち、シャトルをラケットで打つサーブからゲームは始まります。車いすを操作する必要はありませんが、最初はサーブを打つことですら、なかなか難しいプレイになります。

VRバドミントンには多くの方が参加されました。体験を終えた参加者の一人は「遊びでバドミントンをしたことはあり、VRのゲームも楽しめました。でも、車いすに乗ってやってみることで、実際のパラリンピックのバドミントンで(車いすカテゴリーの)選手たちはどうやって車いすを動かしながらラケットを振り、シャトルを打ち返しているのだろうと、そのすごさを感じました」と話していました。

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その他

会場では他にも卓球、水泳、トライアスロン、テコンドーのパラスポーツとしての魅力やおもしろさを伝えるパネル展示も行いました。
また受付にはモニターを設置し、TEAM BEYONDが作成したパラスポーツ紹介の短編動画や、2025年に東京で開催されるデフリンピック(聴覚障がい者のための国際総合スポーツ大会)を紹介する動画を放映し、パラスポーツへの理解を多くの方に深めてもらいました。

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体験や展示でパラスポーツの魅力を知ってもらう「TEAM BEYONDパラスポーツ体験プログラム」。
実際に競技に触れることで、そのスポーツの楽しさや難しさ、選手たちのすごさを知っていただくきっかけになったのではないかと思います。この体験を通して、パラスポーツへの関心や理解がより深まっていくことを願います。

次回の11月10日(日)は、第19回世田谷246ハーフマラソン(駒沢オリンピック公園 中央広場)で実施します。ぜひご参加お待ちしています!

パラスポーツ体験プログラムでは、スタンプラリーを実施しています。集めたスタンプ数に応じてオリジナルグッズをプレゼント!皆さんの参加をお待ちしています!

・スタンプラリーの詳細はこちら↓
https://www.para-sports.tokyo/sports/taiken/passport

・パラスポーツ体験プログラム 今後の実施予定はこちら↓
https://www.para-sports.tokyo/sports/taiken/schedule

・TEAM BEYOND LINE公式アカウントの詳細はこちら↓
https://www.para-sports.tokyo/topics/activity/line_open

20241028

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