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2019年11月5日(火)から7日間にわたり、COREDO室町テラスおよび日本橋周辺で行われた「BEYOND FES 日本橋」が、11月11日(月)ついにフィナーレを迎えました!
パラスポーツの魅力をあますところなく紹介したこのイベント。たくさんの方にご来場いただき、子どもから大人までみんながパラスポーツを通じて一つになりました。この記事では、期間中に実施されたパラスポーツ競技体験会の様子と、イベントの集大成となるフィナーレステージの模様をリポートします!
乗って、投げて、蹴って! 気分はパラアスリート
イベント期間中、会場では計12の競技体験会が行われました。誰でも気軽にパラアスリート気分が味わえるとあり、たくさんの方がチャレンジしていました!
「うぉー、すごい! 」「いけるいける、がんばれ!」「やったぁ、できたー!」
選手からの本番さながらのタックルが受けられる「車いすラグビー体験会」では、朝からイベントに足を運んでいた方に加えて、ランチの休憩時間に訪れた日本橋近隣にお勤めの会社員の方の姿も。また、パドリングマシーン(エルゴ)を使った「パラカヌー体験」では、小さなお子さんも果敢に記録に挑戦していました!
ほかにも、競技用の義足が装着できる「義足体験会」では、支えられながらも初めての感覚を楽しんでいたほか、センサーカメラと大型モニターで対戦データを可視化した「CYBER BOCCIA」では、初対面の相手ともいきなりバトル! 幅広い年齢層の方が、新感覚のゲームを通じてボッチャの魅力を堪能していました。
演武にトーク、ミニライブも 集大成のフィナーレステージ
1週間にわたって開催されたBEYOND FES 日本橋。最終日の11月11日(月)にはフィナーレステージが行われました。11月11日はTEAM BEYOND発足からちょうど3周年にあたる節目の日。そんな記念すべき日にふさわしく、オープニングはドラゴンキッカーのみなさんによる力強い演武でスタートしました!
軽快なリズムに合わせて、テコンドーなど格闘技の動きを取り入れたアクロバティックなパフォーマンスが繰り出されるたび、会場からは驚きと感嘆の声が。一糸乱れぬ動きにも大きな拍手が送られました。
豪華な顔ぶれ! TEAM BEYONDメンバー特別トークショー
続いて、TEAM BEYONDのメンバーとして活躍しているゲストが登場。百獣の王ことタレントの武井壮(たけい そう)さん、パラテコンドーの阿渡健太(あわたり けんた)選手、パラカヌーの加治良美(かじ よしみ)選手、アイドルグループ仮面女子の猪狩(いがり)ともかさん、同じく川村虹花(かわむら ななか)さんが、競技の特徴や観戦の見どころについて深く掘り下げました。
パラアスリートの凄さについて武井さんは「彼らは健常者がまだ鍛えられていない能力や技術を極限まで極めた超人たち。車いすや義足といった道具を操って健常者以上のパフォーマンスを見せてくれる、スーパースターにもなり得る存在だと思っています。
人間の能力をより拡張し可能性を広げてくれるのがパラアスリートだと僕は思ってますので、どんどん活躍してみんなに希望を与えてくれたら嬉しいですよね」と、パラアスリートへのリスぺクトを熱く語りました。
車いすのアイドルとして知られ、パラスポーツ応援大使も務める猪狩さんは「パラスポーツはどんな人でも一緒に楽しめる競技が多いんですけど、パラアスリートのみなさんは自分の体に合わせたトレーニング方法で独自の戦術を磨き上げているんですよね。なので、選手一人ひとりを深掘りしていけばいくほどいろんな発見があって、すごく面白いと思います」と、より踏み込んだ視点で関心を寄せていることを話し、登壇者を驚かせました。
パラアスリート直伝、競技の魅力と観戦の楽しみ方
阿渡選手と加地選手には、それぞれの競技の魅力や見どころについてお聞きしました。
阿渡:パラテコンドーはまだまだ日本では知られていないんですが、「足のボクシング」と表現されるように蹴り技がメイン。一対一で相手の胴をめがけて蹴り合い、制限時間内での得点数を競う競技です。
武井:蹴りのダイナミックさでポイントが変わるんですよね?
阿渡: 普通の蹴りは2点、180度回転は3点、360度回転は4点と、回転の度数によって加点数が変わります。それとパラテコンドーは私のように腕に障がいのある選手が対象なんですが、その障がいも切断や麻痺などさまざま。そのため選手によっていろんな戦い方があるのもパラテコンドーの面白いところかなと思います。
ここで、武井さんを相手に阿渡選手が蹴りの技を披露! 蹴りの回転について実践に近いかたちで体勢を取りながら説明すると、そのスピードのあまりの速さと技の巧みさに会場からどよめきと拍手が起こりました。
加治:私がやっているパラカヌーは、パラテコンドーと違って自然の中でやる屋外競技なので、景色も含めて楽しめるというのが魅力の一つとしてあると思います。あと「水上のF1」と言われているくらいスピード感もすごいです。たぶん思っている以上に迫力があると思いますよ。
武井:風に左右されるという理由から、速さでは競わないんですよね?
加治:そうですね。天候の影響を受けることが大きいので、タイムを競うのではなくあくまで着順を競います。それは意外なポイントかもしれないですね。
加治選手は直前まで行われていたパラカヌー体験にも参加。エルゴメーター(トレーニングマシーン)を漕ぐ際の力強さ、スピードには一般の参加者の方から拍手が沸き起こっていました。
アイドルで総合格闘家! 驚きのトレーニング量
アイドルとして活動するかたわら、2017年に総合格闘家としてもデビューしている川村さんのトレーニング方法には、会場から大きなどよめきが起きました。
川村:私は総合格闘技をやっているんですが、打撃や寝技など練習することがたくさんあって……。今は週6で練習しています。トレーニングはランニングや筋トレが中心。練習がない日曜日はライブがあるので、いつもトレーニングしてからのライブという感じでやっています。今日も朝から4時間半ぶっ通しで練習してからここに来て、このあとライブもしますよ!
これまで格闘技経験がなかったので、それくらいやらないと追いつけないんです。
武井:ちょっとすご過ぎるよ。このイベントでパラアスリート超えてくるのやめてくれない? すげーな!
阿渡選手の蹴り技に刺激を受けてか「私もちょっと、いいですか? 」と川村さんも得意の蹴りを披露することに。受け止め役はまたもや武井さん!
思いがけず本気の蹴りを受けることとなった武井さんは、「なかなかの破壊力。重いの! 」と、蹴られたおしりをさすりながら感想を口にし、会場の笑いを誘っていました。
最後に武井さんは「僕自身、パラスポーツを全種目体験してみましたが、健常者で体が動く方の僕でも彼らには敵わない、そんなすごい能力を持った人たちがパラスポーツの世界にはそろってます。是非彼らが戦う会場に足を運んでいただいて、彼らが自己実現できる場所や夢を叶える場所をみんなで楽しみながら育てていけたら、と思ってます。ラグビーや野球を観に行くように、パラスポーツも会場に観に行って応援しましょう。今日はどうもありがとうございました! 」とのメッセージで、トークショーを終えました。
猪狩さん・川村さんも参加! 仮面女子ミニライブ
フィナーレステージの大トリは、トークショーにも登壇した猪狩さんと川村さんを含む仮面女子のみなさんによるミニライブ! メンバーが登場すると、会場のボルテージも一気に上昇しました。
ここでは、挑戦を恐れず前へ進む勇気くれる『先陣☆CUTTER』、好きという気持ちをまっすぐに歌った『全開☆ヒーロー』、そして信じた夢を叶えるため頑張る人にエールを送る『大冒険☆』の計3曲を披露。ファンの声援が飛び交う中、熱くパワフルなステージで会場全体をド派手に盛り上げます。
ラストの曲では猪狩さんも車いすでパフォーマンスに参加し、メンバーと一緒に華麗なダンスでファンを魅了。BEYOND FES 日本橋にふさわしい圧巻のライブで、フィナーレステージを締めくくりました。
さらに、ライブ終了後には猪狩さんより仮面女子がTEAM BEYONDメンバーの一員となったとのサプライズ発表が! 「これから仮面女子みんなで活動していきますので、よろしくお願いします! 」とあらためて挨拶すると、ファンから温かい拍手が送られました。
7日間にわたって開催された「BEYOND FES 日本橋」。盛りだくさんのプログラムをお届けしたパラスポーツの祭典は、たくさんの笑顔であふれる中、大盛況のうちに終了しました。
今後もTEAM BEYONDでは、パラスポーツファンを増やし応援の輪を広げつなげていくためのさまざまな活動・取組を予定しています。みなさんも是非一緒に、パラスポーツを盛り上げていきましょう!
今回ご協力いただいた企業・団体のご紹介