支援企業・団体の声
株式会社こうゆう 花まる学習会
障がい者と健常者が対等に競えるスポーツとして
ボッチャの多様性と魅力を発信
幼稚園児から小学生を対象に、全国170カ所、360教室以上を展開する「花まる学習会」。思考力、読書・作文を中心とした国語力、野外体験を3本柱として、「メシが食える大人」「魅力的な人」を育てる学習塾です。「一般社団法人日本ボッチャ協会」のゴールドトップパートナーになっています。
どんなハンディキャップも関係なく輝けるスポーツがボッチャ
同社は企業としてボッチャの普及を推進するのはもちろん、社内でも積極的にボッチャを活用。レクリエーションとして実施したり、生徒の保護者を交えた親子ボッチャ大会を開催したりしています。推進のきっかけは、高濱正伸代表のご家族にありました。
「息子が重度の障がいをもっていて、私自身、スポーツなんてとてもできないと思っていました。そんなある日、国際大会でも審判をされている小林さんという熱心な先生から、スポーツは子どもに自信をもたせるからと薦めてもらったんです。特にボッチャは素晴らしいですよって。」(高濱代表)
その後、ボッチャの試合を目の当たりにして高濱代表が驚いたのは、ボッチャがもつ多様性。年配の方や障がい者が一緒に参加している大会を観戦した時、重度の障がい者がランプ(勾配具)を使用して試合に勝っている姿を見て、「障がい者と健常者が対等で戦える唯一のスポーツだと思った。」と当時の衝撃を振り返ります。
「障がい者が健常者に勝てるのはもちろん、スポーツ自体が魅力的です。最後の一球まで勝敗がわからないのでドラマチックですし、スーパーショットも出るからすごく盛り上がる。他のスポーツ以上の感動もあり、ボッチャには可能性があると確信しました。」(高濱代表)
その後、社内研修などにボッチャを取り入れるようになったのは2016年ごろから。メンバー全員が仲を深めるには、ぴったりだったと高濱代表は言います。
「実際にやってみるのが一番早いですから、まずはみんなで遊んでみようよと。元々うちの社員たちは、「じゃあやってみよう」と純粋に楽しめる素直な性格ですし、また、ボッチャは性別、年齢、体格差なども一切関係ないですから、ほかのスポーツではあまり活躍できない人でもすごいプレーをみせたりするんです。あと、スポーツには教育の面もありますよね。当社は子どもたちにもインクルージョンの大切さを長年訴えていますから、その観点から社員が賛同してくれる側面もあります。」(高濱代表)
ボッチャがもつ人間教育の側面は社内教育にも活用できる
「花まる学習会」の教育理念は、教科に対する学習だけでなく人間力の育成を重視していることも特徴のひとつ。ボッチャの魅力を生徒に伝えることは、教育面でも役立っていると高濱代表は言います。
「現代は、障がいをもつ人に対してどう接するかが問われる多様性の時代です。以前は、障がいがあってもなくても同じだよ、優しくしましょうといったものでした。でも今はそのさらに一歩先にある、本当にフラットな関係、同じ距離感になったときの接し方。心の壁がないというのはそういうことですし、壁がない人は信頼されます。その心を育むには経験を積むしかありません。であれば、おすすめはボッチャ。障がいのある人との距離を縮めるとともに、良い接し方を学ぶ、感じ取れる、自然とつかめるスポーツがボッチャです。」(高濱代表)
「この人間教育の側面は、ほかの業種の企業でも社員教育として活用するといいと思う。」と高濱代表。
「そもそも福祉の面だけでなく、ボッチャはスポーツとして面白い。これはうちの会社でやってみて改めて気付いたんですけれど、社内で根付いてみんなが普通にやっているのは楽しいからです。だから続いてるんだろうなって。だから、企業カンファレンスなどでボッチャ大会をやってみたら、すごく広がると思うんですよね。環境面としても、ボッチャは狭い場所でプレイできますから、オフィスでの練習もしやすいです。」(高濱代表)
「ボッチャの認知度がなかなか広がっていかない理由があるとすれば、ひとつはボールのコスト面ではないか。」と高濱代表。職人のハンドメイドで精巧に作られているため、公式球にもなるとセットで数万円という価格になるのです。
「練習球でも1セットで2~3万円するので、2~3000円程度のもっと安価なモデルも作れないかなと思っているんです。実際、私もスポーツメーカーの社長に知人がいるので、一緒に開発もしています。なかなかゴーサインは出ませんけどね。」(高濱代表)
インクルージョンの面でもパラスポーツの可能性は大きい
「今後ますますボッチャを広めていくためには、ボッチャがクールなスポーツであるということを広めていくことが重要。」と高濱代表。たとえば、株式会社ワントゥーテン(1→10)が開発した「CYBER BOCCIA(サイバーボッチャ)」がそのひとつだと言います。 ※CYBER BOCCIAとは、パラスポーツである「ボッチャ」のルールはそのままに、テクノロジーで体験できるもの
「『CYBER BOCCIA』は大きな可能性を秘めています。株式会社ワントゥーテン(1→10)の澤邊芳明社長は知人でもあるのですが、ひと昔前にダーツバーが流行ったように、ボッチャバーが広まっていけば素晴らしいなと思っています。あとは漫画やドラマなどで、ボッチャをテーマにした作品が生まれて人気が出ればいいなと。車いすの主人公が、健常者の友人と一緒にボッチャで戦うことで絆を深めるみたいな。そういう取り組みに賛同してくれるクリエイターを大募集しています。」(高濱代表)
「日本では今後ますます人間性が問われるようになる。」と高濱代表。社会人としては、これまでは年収の高い人が偉いという評価軸でみられてきたが、数値による判断基準には限界が訪れると言います。
「なぜなら、戦後とは違ってモノの有無で困る時代ではないからです。あくせく働いて、年収いくらという物質的な豊かさよりも、人間性の幅など心の豊かさが評価される時代になるでしょう。このことは企業に関しても同様。世の中のためにただお金を出すだけではなく、本気でインクルージョンなことに取り組んでいる会社であるかどうかが判断され、支持されるようになるでしょう。その意味で、パラスポーツには非常にチャンスがあると思います。」(高濱代表)
ボッチャを事業の教育面だけでなく、スポーツやカルチャーとしての魅力も世に訴えて発信していく「花まる学習会」。今後も、日本におけるボッチャ発展のキーとなることは間違いないでしょう。同社と高濱代表のチャレンジに、これからも目が離せません。
株式会社こうゆう 花まる学習会
担当部署 | 広報・講演会部 |
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所属人数 | 8名 |
住所 | 東京都千代田区神田駿河台4-4-5 駿河台スピックビル4階 |
電話 | 03-5289-4888 |
URL | https://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/ |